研究概要 |
平成21年度は4つの班(UWBシステム班,UWBアンテナ班,パルスレーザ班,光信号処理班)で並行して研究を進めた.UWBシステム班では,国立情報通信研究機構作成の数値人体ファントムをUWB信号の伝搬解析に適用するための高解像化手法を提案し,3.1GHzから10.6GHzの全UWB帯域をカバーするUWB-IRパルスの人体組織伝搬特性を数値的に評価できるようにした.またPVAと硼砂の架橋反応を利用したゲル状生体等価ファントムを作成し,当該ファントムがUWB全帯域にわたって人体の筋肉,皮膚,脂肪の誘電率をよく模擬することを確認した.UWBアンテナ班は小型・広帯域な低指向性アンテナについて文献調査を行うとともに,25GHz帯UWB信号用広帯域TSAの設計,試作,特性評価を行った.パルスレーザ班は短光パルス光源の安定性向上を目的として,帰還パルスの波長依存性,帰還機構としてDLC型部分反射ミラーの代わりにFBGを用いた場合の評価を行った.光信号処理班はOOK-UWB-IR信号の高速伝送時の送信電力向上のために,光2×2スイッチを用いたスペクトルスクランブル方式について検討し,ビットレートの2割程度の速度のスクランブルを行えば10dB程度の送信電力向上が行えることを明らかにした.
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