研究課題/領域番号 |
21360188
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大沢 寿 愛媛大学, 社会連携推進機構, 特命教員(教授) (50029336)
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研究分担者 |
岡本 好弘 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20224082)
仲村 泰明 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (50380259)
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キーワード | 垂直磁気記録 / 信号処理方式 / GPRML方式 / サーマルディケイ / LDPC符号化・繰り返し復号方式 |
研究概要 |
サーマルディケイを考慮した垂直磁気記録再生系において、ポストプロセッサを伴うGPRML(Generalized Partial Response Maximum Likelihood)方式のためのニューラルネットワーク等化器(NNE)と雑音予測器の設計法として、高レベルの識別点雑音の発生頻度の抑圧と低レベル識別点雑音の発生頻度の増強が可能なハイブリッド遺伝的アルゴリズムとレビンソン・ダービンアルゴリズムを交互に繰り返す学習法を開発した。これにより、等化器として従来のトランスバーサルフィルタを用いる場合に比べて、ポストプロセッサによる誤訂正と識別点雑音電力の大幅な削減が可能となった。その結果、サーマルディケイの影響が現れる経過時間領域において、従来のトランスバーサルフィルタを用いるポストプロセッサを伴わないGPR1ML方式に比べて本設計法によるNNEを用いるポストプロセッサを伴うGPR1ML方式はビット誤り率を約2桁改善できることが明らかとなった。 更に、次世代の高密度記録方式として期待されるビットパターン媒体を用いる磁気記録におけるLDPC(Low-Density Parity-Check)符号化・繰り返し復号方式の克服すべき課題となっている繰り返し復号への同期はずれによる記録誤りの影響の軽減法を開発した。これはLDPC符号のパリティ検査行列から得た誤り位置情報を利用するSP(Sum-Product)アルゴリズムで、検出された誤り位置におけるLLR(Log-Likelihood Ratio)を減衰させる方法である。2Tb/in^2の高密度記録における性能評価を行った結果、従来のRS(Reed-Solomon)符号を用いる誤り訂正方式に比べて本方式は記録誤りに対する高い耐性を示すことが明らかとなった。
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