研究課題
本研究は、地球温暖化にかかわる温室効果ガスの排出抑制に関する課題を、情報通信機器を通して得られる情報をモニタリングし、組織化することにより改善することを目的とするものである。2008年6月にロンドンで開催されたIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)とITU(国連国際電気通信連合)との共同会議にて、研究代表者と研究協力者(米田)が地球環境のモニタリングのための標準モデルを提案しているが、これを基盤として研究を実施する。提案モデルを中心とする標準化のための作業部会がITUに設けられているが、作業会合に米田が出席し作業の促進に寄与するとともに、9月に開催されたSIIT 2009にて本提案概要を発表し、標準化の目標と学術的意義について議論を喚起した。作業は現在も継続されている。気候学、地球物理学を始めてとする気球関連学術機関では気候変動に関する学術研究を進展しているが、現状は相互の協調が十分とはいえない状況にある。COP15(IPCCコペンハーゲン会議)に先立ち学術の寄与を高めるためのフォーラムがコペンハーゲン大学を中心に開催されたが、ここでモニタリングモデルによる学術相互の連携を提唱した。携帯電話に代表される情報通信機器のユビキタス性に着目して、モニタリングを実証する活動が連携研究者が所属するソフトバンクテレコム社との連携により行われた。第一段階として、同社の職員が保有する携帯機器の電源管理のモニタリングが実施されている。提案するモニタリングモデルにより得られた情報を体系化するための検討が行われ、インプリメントモデルが形成された。同時に、端末位置の詳細把握のためにGPS情報の高速取得が必要となり、このための検討が進められ、大きな成果を得た。これら一連の成果を、電子情報通信学会等論文誌に3篇掲載している。尚、申請当初から研究協力者(米田・笠)を登録しているが、当該研究者が所属する企業が研究費を直接使用できない企業であるための処置であり、これら研究者が実質的に参加した。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
IEICE Trans.on Communication Vol.E92-B, No.4
ページ: 1153-1155
IEICE Trans.on Communication Vol.E92-B, No.5
ページ: 1875-1883
Transaction of Mathematical and Physical Fisheries Science Vol.7
ページ: 20-27