以下の二点につき最終確認を行い、研究報告書を作成した。 ①交通動態の自動把握の効率化: 交通動態の自動把握は、取得する情報量と状態認識の精度との相互関連により設計される。情報量は情報取得間隔に依存するが、交通動態においては、情報取得間隔を広げることにより状況認識を低下させることなく情報量を低減させることが可能である。理由として、今回は意図的な行為を対象としていないため、統計的渋滞は情報取得を間引いても統計的性質を失っていないことによる。以上から、実用的な応用に際しては、情報量の削減による弊害は無いとする結論を実証評価から得た。 ②ビッグデータとしての交通動態基礎情報の蓄積: 交通動態の基礎情報は蓄積を目的としていることから、書き換え速度を短所とするSSDの弊害が顕在化せず、読み出し速度が高速であることのメリットが強調される。交通動態の応用には同一時刻の空間的情報処理(時間同一性処理)があり、分散され蓄積される情報の並列的処理が多数の応用で独立に実行される特徴を持つ。これを背景として、SSD の活用と、それに適したデータ構造につき評価を実施した。その結果、小さいサイズのデータ要素についてもBloom Filter Mapと命名したアクセス方式を提案しており、従来知られたSSDによるアクセス方式と比較して2倍以上の高速化が図られ実用可能と判断した。 最後に、4年間の成果の詳細を残す目的で、研究成果報告書を作成した。尚、研究協居者として年度計画書に記載の通り、米田進と笠史郎が参加した。
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