研究分担者 |
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90352525)
半田 久志 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60304333)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
小北 麻記子 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (00389694)
谷口 忠大 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (80512251)
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研究概要 |
本研究課題の目的は,便利の追求で見過ごされてきたが実は人間-機械系においては本質的に重要であった事項を整理し直し,各種デザイン(日用品,施策など)の実践を通して,新たな設計指針あるいは方向性を明らかにすることである.これに向けた2009年度の成果を以下に示す. ・「何時でも何処でも誰とでも」という便利によって失われた益として,面前でのインフォーマルコミュニケーションに注目し,書評を媒介とした対話を促す「ビブリオバトル」と呼ぶ枠組みをデザインするとともに,啓蒙と実践(ワークショップやWEB制作)を通して得た知見を整理した. ・強化学習問題のための分布推定アルゴリズムを提案するとともに(2009, GECCO, best paper award受賞),これにモデル探索機構を付与することによって,チューマップが構成できることを確認した.これは,不便益の数理的基盤として想定されるチャネル理論における情報射の表現形式の一つである. ・能動義手のデザインを題材として,便利さや機能性の増強によるのではく,ユーザのメンタルロード軽減や嬉しさを付加する方向での設計によって,現状よりも使いたくなるデザインの可能性を検討した. また,日本感性工学会全国大会,計測自動制御学会システム情報部門大会,同学会知能システムシンポジウムにおいて不便益に関わるテーマのオーガナイズセッションを企画・実施し,当研究課題の研究分担者に限らず多くの研究者と情報を交換した.
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