研究分担者 |
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90352525)
半田 久志 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60304333)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
小北 麻記子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00389694)
谷口 忠大 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (80512251)
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研究概要 |
本研究課題の目的は,便利の追求で見過ごされてきたが実は人間-機械系においては本質的に重要であった事項を整理し直し,各種デザイン(日用品,施策など)の実践を通して,新たな設計指針あるいは方向性を明らかにすることである.これに向けた2010年度の成果を以下に示す. [総論(川上)]各研究領域で実践するための理論的アンカーとすべく,昨年度には本研究課題の目的と意義を総説論文にまとめたが,多くの事例を挙げて帰納的に説明せざるを得ない事項は学術論文とはならない.そこで,一般啓蒙書という形式でまとめるために,本年度は収集事例を整理し,体系化した.書籍は来年度中に出版予定である. [コミュニティデザイン(谷口)]不便を活用した都市空間の設計について,交通行動と居住地選択行動の相互作用からうまれる都市のダイナミクスをマルチエージェントシミュレーションによって検証した.一見,同様に不便に見えるデザインが個々のエージェントの意思決定の自由度によりマクロな層には異なるパターンを形成する事を示した.[コミュニケーションデザインと意匠デザイン(小北)]ピクトグラムによるコミュニケーションの仕組みをデザインし、実装した。その成果は国際会議にて発表した。また,義手のリデザインについて、指針策定を目指した。その成果は国内会議にて発表するとともに、意見収集を行った。 [情報伝達系デザイン(須藤)]メディア・ビオトープが形成するコミュニティの特性を分析するために,各成員の意志決定(行動)を他者との対立・協調関係という立場からモデル化した.このモデルは「囚人のジレンマ」に基づき,それぞれのエージェントは各種メディアによって得られる情報に従って行動戦略を学習する.この戦略の傾向を分析することによってメディアがコミュニティに与える影響を明らかにすることを目的としている.
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