研究概要 |
本研究は、(1)センシングを「対象に関する情報を獲得する行為」ととらえ、(2)対象の状態に関しての情報の不確かさとあいまいさを、能動的に減少させるための画像センシングの戦略を情報理論の立場から見直し、(3)一般化した「能動センシングの方法論」の構築を試みるものである。 平成22年度は、前年度に引き続き、(研究項目1)として、画像計測における視覚センサと、視覚情報処の役割に関する調査とデータ収集を行い、問題点の整理、体系立てを行った。また、(研究項目2)として、能動的な視覚によるロボットの行動の特性を考察し、運動の自由度、環境条件を拡張した実験システムによって、画像計測に当てはめた提案手法の有効性を検証した。 それと共に、新たに22年度後半からは、(研究項目3)として21,22年度に得られた成果をもとに、購入をした3Dカメラを中心とする視覚システムを用いて、実環境の認識と計測のための能動的な行動の制御の検証をした。それに基づいて、来年度に向けて、画像計測・画像認識から一体となったセンシングの行動制御システムの実用化の例を示し、(研究項目4)研究を総括し、実用的な実環境下における画像認識を含む、さまざまなセンシングシステムの構築の基となり得る、能動計測の普遍的アプローチ構築の理論の確立に向けた準備をした。 以上の本課題の期間での研究は、「能動センシングのための情報学」の萌芽を結実化する基盤の確立が主目的である。すなわち、運動のための視覚センサの役割を解明、動視覚センシングとも呼ぶべき新しいセンシング機構を構築し、能動センシングの立場からの体系的な研究につなげていく。
|