研究概要 |
力センサの動的校正法・動的誤差補正方法の開発ならびに実用的な計測システムの実現を目的とし,動的校正法の開発を実施した. まず,力センサの応答評価用実験装置の開発を行った.本装置は,空気軸受可動部と第1・第2干渉計,デジタイザ・PC等の電気処理系を備え,力センサの電気的応答測定のため,力センサに作用する慣性力を,第1干渉計により空気軸受可動部の慣性力として測定する.また,力センサの受感部の変位・変位速度・加速度を第2干渉計により測定する.これらのデータを解析することで,力センサの機械的応答を測定する.本装置において,力センサへの入力レベルの範囲を拡大するための光波干渉計の耐振動性を向上させる構造を検討し,実験装置に適用した.その結果,力センサを独立基礎(コンクリートブロック)に固定する等の従来方法に比べ,振動の影響を大幅に取り除くことが可能となり,力センサに与えうる「変動する力」の大きさを拡大可能となった.また,本装置を用いて異なる複数の形式の力センサを用いた動的特性評価(Impact応答評価法,Step応答評価法,Oscillation応答評価法)を行った. また,任意の「変動する力」に対する測定値の不確かさを低減するための力センサの動的校正法の開発のため,FEM(有限要素法)による力センサ動的特性の数値解析を実施し,得られた力センサ動的特性解析結果と実験結果を比較検討した.その結果,変動する力に対する力センサの動的特性をモデル化できる見通しを得た.
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