研究概要 |
本研究では、高速視点切換を実現するアクティブアイリスに基づく単眼ステレオビジョン理論・アルゴリズムの体系化を行い、高速ビジョンハードウェアと高速アイリス制御機構を組合せたプロトタイプ計測システムを構築し、単眼ステレオビジョンによる1000fpsレベルの実時間3次元計測の有効性を応用システム上で検証することを目的とする。平成22年度は、以下の研究項目を行った。 (A)時空間変調素子を用いて高速視点変換を行うアイリス制御機構の開発 1)時空間変調素子としてDMD素子をレンズユニットのアイリス位置にセットし、時空間変調素子の画像パターン制御により、アイリス位置・形状が1000回/秒といったレベルでプログラマブルかつ高速に切替えられるアイリス制御機構を開発した。 2)アイリス制御機構とオフライン高速度カメラを連動し、1000fpsで記録されたオフライン高速ビデオ画像の視点位置をフレーム毎に切り替えられることを画像レベルで確認した。 3)時空間変調素子のプログラマブル画像パターン制御により、任意位置の視点切換が可能とし、外部のセンサ情報に基づく視点位置フィードバック制御が可能とする制御ソフトフェアを開発した。 (B)高速アイリス制御機構を導入した高速単眼ステレオビジョンシステムの構築 1)1000fps以上で動作する高速ビジョンハードウェアを導入し、画像重心などの画像特徴量が実時間取得できることを確認した。 2)フレーム毎に視点位置が切り替わる画像に対応し画像特徴量を1000fpsで実時間取得できることを確認した。 3)高速ビジョンからの画像特徴量に基づき,単一標点を持つ対象に対する1000fpsでの実時間3次元位置計測を実現した。 (C)高速ビジョンハードウェアへの単眼ステレオアルゴリズムのハードウェア実装 1)特徴点ラベリング、2視点画像間のマッチング・3次元計算、対応付け等からなる単眼ステレオアルゴリズムを高速ビジョンハードウェア上に実装した上で、画像内の複数特徴点に対する高速3次元対象追跡が1000fpsで実時間動作することを確認した。 2)同期ずれ補正アルゴリズムを実装し、アイリスにおける視点位置変換に伴う同期ずれに対する補正機能の実現を試みた。
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