研究課題/領域番号 |
21360199
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
圓福 敬二 九州大学, 超伝導システム科学研究センター, 教授 (20150493)
|
研究分担者 |
能崎 幸雄 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30304760)
井上 昌睦 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (80346824)
隈 博幸 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (40435136)
|
キーワード | 免疫検査 / 液相検査 / 磁気マーカー / ブラウン緩和 / SQUID / 磁気センサ |
研究概要 |
免疫検査は医療診断や医薬開発の分野で必要となる種々の蛋白質や病原菌などのバイオ物質を抗原-抗体の結合反応を用いて検出する方法であり、バイオ計測において基盤となる検出法である。本研究では、申請者等が考案した磁気マーカーと固定用ポリマービーズを用いた新規な液相検査法を確立するとともに、多種類のバイオ物質の高速・高感度な多項目検査を可能とする磁気的免疫検査システムを開発することを目的としている。今年度に得られた主な成果は以下の通りである。 (1) 磁気マーカーの特性解明:液相検査には磁気マーカーの溶液中でのブラウン磁気緩和特性を用いる。この特性に及ぼす、磁気マーカーのサイズ分布や凝集の影響を定量的に明らかにし、磁気的免疫検査の定量的な評価を可能とした。また、高磁場を印加したときの非線形ブラウン緩和の影響を明らかにした。 (2) SQUID装置の改良:既存の高温超伝導SQUIDを用いた検査システムを改良し、多種類の試料を検出するための磁気的免疫検査システムを開発した。磁気マーカーを励磁するための磁界の印加法を改良するとともに、励起から測定までの緩和時間の最適化を行った。これにより未結合マーカーからの雑音を減少させ、信号対雑音(SN)比を大きく改善した。 (3) 液相での免疫検査実験:磁気マーカーと固定用ポリマービーズを用いた蛋白質(ビオチンとIgE)やカンジダ菌の検出実験を液相で行い、液相での正常な検査が可能であることを示した。これにより、BF(Bound/Free)分離なしでの液相検査に対する本手法の有効性を示した。
|