研究課題/領域番号 |
21360200
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
穂積 直裕 愛知工業大学, 工学部, 教授 (30314090)
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研究分担者 |
吉田 祥子 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (40222393)
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 准教授 (60144094)
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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キーワード | 計測システム / 超音波 / 生体組織 / 音響インピーダンス |
研究概要 |
平成21年度は、音響インピーダンス顕微鏡システムのハードウエアを構築した。生物用光学顕微鏡ステージを改造し、コンデンサレンズの代わりに振動子を取り付け、基板の背面側から結合媒体を介して基板表面に収束させた超音波を出射した。基板表面には生体組織が密着しており、界面での反射を同一の振動子で受波した。参照波と比較することにより、組織の局所特性音響インピーダンスを算出し、振動子を2次元走査することにより顕微画像を得た。 サンプリング周波数8ギガサンプル/秒のA/Dコンバーターを計測用コンピュータに組み込み、計測制御ソフトウェアを自作して、機械走査部と連携したデータ取得を行った。取得した信号全てをA/Dコンバータ内のメモリに格納して一回で転送することにより、これまで観察速度を律速していたデータ転送の問題を解決し、1枚の画像が30秒程度で取得できるレベルの高速観察を実現した。中心周波数120MHzを有するものと、同300MHzを有するものを使用し、組織レベルから細胞レベルの観察を可能とした。 超音波ビームの経路を勘案し、系のインパルス応答を計算し、基板を介した送受波にともなう収差の発生を予測した。この結果をもとに、2次元走査で得られる音響インピーダンス像の収差を補正した結果、より鮮明な画像が得られることが判った。実際にラットの小脳組織を観察し、その効果を確認した。 細胞観察に関しては、ラット小脳由来のグリア細胞をフィルム上に培養し、音響インピーダンス像を取得した。細胞の内部構造、すなわち細胞骨格、核、細胞質などを観察できることが判った。
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