研究概要 |
まずサンプル値フィルタの適応更新則については,重み関数が1次系の場合に完全な階を得たが,2次以上の場合については困難があり,次年度に持ち越した.一方,音声復元においては,録音不可避的に発生する位相歪をも含めてこれを補償する方法が見出された.これにより高域の位相歪のない高忠実度再生,復元が可能となった. 他方,画像処理においては,従来サンプル値フィルタ理論を用いても画像にギザギザのじゃぎー名部分が残ることが大きな問題であったが,これに対して,適切なローパスフィルタによる前処理あるいはそれと同等なサンプル値フィルタ処理を行うことによって,このジャギーな部分を緩和しつつ,しかも細部の高周波成分を最適に復元し得る,超解像度処理方法を開発した.これは従来手法である,バイキュービック法,ランチョス法,あるいは最新のTVノルム最適化法等を上回る性能を有するもので,今後この方面への多様な展開が期待されるものである. サンプル値フィルタの適応化については,この他に数値解析への応用も視野に入れており,理論応用両面からの進展が期待される.これについては引き続き23年度において,理論面と数値実験からの検討を進める予定である.
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