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2010 年度 実績報告書

NDTと統計的手法の融合によるコンクリート部材の性能評価と劣化予測の高精度定量化

研究課題

研究課題/領域番号 21360206
研究機関大阪大学

研究代表者

鎌田 敏郎  大阪大学, 工学研究科, 教授 (10224651)

研究分担者 貝戸 清之  大阪大学, 工学研究科, 特任講師 (30467550)
キーワード鉄筋コンクリート / 塩害 / 非破壊試験 / 構造解析 / 耐力 / 劣化曲線 / 劣化予測 / モンテカルロ法
研究概要

本年度は,1.塩害を受けたコンクリート部材を模擬した供試体に対して非破壊試験(NDT)を行い,この結果を入力データとした構造解析(FEM)により,NDT実施時点の供試体の耐力を推定する手法の高度化を行うとともに,2.飛沫帯に設置された実際のコンクリート部材を対象に,統計的手法により将来の部材耐力を予測する手法およびその妥当性の検証を行った。以下に得られた成果の概要をそれぞれ示す。
1. NDTとFEMを併用したコンクリート部材耐力の推定手法の高度化
電食試験によりかぶりコンクリート表面に腐食ひび割れを生じさせたRCはり供試体を対象に,「手法I:クラックスケールで測定したひび割れ幅の最大値から鉄筋径を推定後,終局強度理論から曲げ耐力を推定」と「手法II:ひび割れ箇所ではその測定,ひび割れの無い箇所では分極抵抗法による計測を実施し,それぞれの結果から鉄筋径を推定し,それらの結果を入力データとしたFEMにより曲げ耐力を推定」をそれぞれ適用した。その結果,いずれの手法においても曲げ耐力を概ね推定できるものの,手法Iよりも手法IIで推定した曲げ耐力の方が,載荷試験で実測した曲げ耐力に近い値となった。したがって,曲げ耐力を適確に推定するためには,手法IIのように,鉄筋腐食の不均一性を考慮することが重要である。
2. 統計的手法によるコンクリート部材耐力の予測手法とその妥当性の検証
飛沫帯にあるRCスラブを対象として,部材諸元および部材の設置環境条件と,既往の研究や実構造物の調査結果に基づき設定した確率分布およびその統計量から,モンテカルロ法により供用年数と曲げ耐力との関係(劣化曲線)を解析的に導出した。さらに,対象とした部材において載荷試験を行い曲げ耐力を実測した既往の研究成果を用いて,導出した劣化曲線の妥当性についての検証も併せて行った。その結果,本手法により推定した曲げ耐力は,実測値と比較的良い一致を示すことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 8件)

  • [雑誌論文] 飛沫帯にあるRC部材の曲げ耐力に関する劣化予測手法2011

    • 著者名/発表者名
      木下真一, 内田慎哉, 鎌田敏郎
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: Vol.33, No.1 ページ: 887-892

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Peeling/Falling of Protective Covering Concrete and Optimal Repair and Inspection Policy2011

    • 著者名/発表者名
      Fukuda, T., Okizuka, R., Kaito, K., Ito, T.
    • 雑誌名

      The Twelfth East Asia-Pacific Conference on Structural Engineering and Construction (EASEC-12)

      巻: 12, No.203(CD-ROM)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 飛沫帯にあるRC部材の曲げ耐力の予測方法に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      木下真一, 内田慎哉, 鎌田敏郎
    • 雑誌名

      平成23年度土木学会関西支部年次学術講演会講演概要集

      巻: 第V部門(掲載決定)

  • [雑誌論文] 飛沫帯に位置するRC部材の曲げ耐力に関する劣化予測手法とその妥当性の検証2011

    • 著者名/発表者名
      木下真一, 内田慎哉, 鎌田敏郎
    • 雑誌名

      平成23年度全国大会 土木学会第66回年次学術講演会講演概要集

      巻: 第V部門(掲載決定)

  • [雑誌論文] 統計的劣化予測に基づく補修優先順位の決定と相対的事後評価2011

    • 著者名/発表者名
      福田泰樹, 貝戸清之, 橋爪謙治, 横山和昭
    • 雑誌名

      第43回土木計画学研究・講演集

      巻: 43(掲載決定)

  • [雑誌論文] 目視点検データに基づくRC床版の統計的劣化予測および補修優先順位の決定2011

    • 著者名/発表者名
      福田泰樹, 起塚亮輔, 貝戸清之, 橋爪謙治, 横山和昭
    • 雑誌名

      平成23年度関西支部年次学術講演会講演概要集

      巻: 第I部門(掲載決定)

  • [雑誌論文] 目視点検データに基づく橋梁床版のかぶりコンクリートの剥離・剥落に関する統計分析2010

    • 著者名/発表者名
      起塚亮輔, 貝戸清之, 伊藤哲男, 西川秀
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: Vol.32, No.2 ページ: 1441-1446

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 加速劣化ハザードモデル:コンクリート中性化予測への適用2010

    • 著者名/発表者名
      田中尚, 藤森裕二, 貝戸清之, 小林潔司, 安野貴人
    • 雑誌名

      土木学会論文集D

      巻: Vol.66, No.3 ページ: 329-341

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 塩害環境下にあるRC部材の曲げ耐力の予測手法に関する基礎研究2010

    • 著者名/発表者名
      内田慎哉, 鎌田敏郎, 木下真一
    • 雑誌名

      コンクリート構造物の補修, 補強, アップグレード論文報告集

      巻: 10 ページ: 207-214

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鉄筋腐食によりひび割れが生じたRCはり部材の曲げ耐力の非破壊評価手法2010

    • 著者名/発表者名
      木下真一, 鎌田敏郎, 内田慎哉
    • 雑誌名

      コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集

      巻: 10 ページ: 215-220

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 下水道コンクリート管渠の統計的劣化予測2010

    • 著者名/発表者名
      貝戸清之, 鎌田敏郎, 大谷明, 山中明彦
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 32 ページ: 1429-1434

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 下水道コンクリート官渠のストックマネジメント2010

    • 著者名/発表者名
      貝戸清之, 鎌田敏郎, 大谷明, 山中明彦
    • 雑誌名

      下水道協会誌

      巻: 47 ページ: 78-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 目視点検データに基づく橋梁床版のかぶりコンクリートの剥離・剥落に関する統計分析2010

    • 著者名/発表者名
      起塚亮輔, 貝戸清之, 伊藤哲男, 西川秀
    • 雑誌名

      平成22年度関西支部年次学術講演会講演概要集

      巻: 第I部門 ページ: I-22

  • [雑誌論文] 橋梁床版のかぶりコンクリートの剥離・剥落に関する統計的劣化予測と分析2010

    • 著者名/発表者名
      起塚亮輔, 貝戸清之, 伊藤哲男, 出口宗浩
    • 雑誌名

      土木学会第64回年次学術講演会講演概要集

      巻: 第I部門 ページ: I-186

  • [雑誌論文] 目視調査データを用いた下水道コンクリート官渠の統計的劣化予測2010

    • 著者名/発表者名
      山中明彦, 前之園学, 大山秀格, 貝戸清之, 鎌田敏郎, 大谷明
    • 雑誌名

      土木学会第64回年次学術講演会講演概要集

      巻: 第VI部門 ページ: VI-432

  • [雑誌論文] 塩害環境下に曝されたRCスラブの曲げ耐力に関する劣化予測とその妥当性の検証2010

    • 著者名/発表者名
      木下真一, 内田慎哉, 鎌田敏郎
    • 雑誌名

      日本学術会議材料工学連合講演会講演論文集

      巻: 54 ページ: 165-166

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公開日: 2012-07-19  

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