研究課題
本年度は、飛沫帯に設置された実際のコンクリート部材を対象に、以下に示す(1)~(3)の検討を行った。また、これらの結果に基づいて(4)の検討も併せて行った。以下に得られた成果の概要をそれぞれ示す。(1)統計的手法によるコンクリート部材耐力の予測手法の有効性の検証昨年度提案した塩害環境下にあるRC部材の曲げ耐力の劣化予測手法の有効性ならびに汎用性を検証するため、環境条件および部材諸元の異なる複数の桟橋に対して本手法を適用した。その結果、いずれの桟橋においても、本手法により推定した曲げ耐力は、桟橋から切り出したRC部材を対象に載荷により把握した実際の曲げ耐力と比較的良い一致を示した。(2)鉄筋腐食発生時刻および鉄筋腐食によるひび割れ発生時刻の推定手法の開発上記(1)の予測手法を応用して、鉄筋腐食および鉄筋腐食ひび割れの発生時刻を推定する方法を示した。(3)維持管理上の重要な調査項目を抽出する方法の構築上記(2)により推定した鉄筋腐食および鉄筋腐食ひび割れの発生時刻から潜伏期および進展期を算出し、RC部材の各種劣化因子の変動が曲げ耐力の予測に与える影響についての感度分析を期間ごとに行った。その結果、潜伏期の初期段階ではコンクリートかぶり部分の塩化物イオン濃度の調査が、潜伏期後期から進展期ではこの調査に加えて鉄筋腐食速度の調査も重要であることを明らかにした。(4)統計的手法によるコンクリート部材の劣化予測手法の高度化上記(1)の劣化予測手法を高度化して、RC部材のはく離やはく落する時期を予測するための方法論を構築した。
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コンクリート工学年次論文集
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