研究課題/領域番号 |
21360209
|
研究機関 | 独立行政法人土木研究所 |
研究代表者 |
西崎 到 独立行政法人土木研究所, 材料資源研究グループ, 上席研究員 (80355792)
|
研究分担者 |
佐々木 厳 独立行政法人土木研究所, 主任研究員 (00355794)
冨山 禎仁 独立行政法人土木研究所, 主任研究員 (50370721)
|
キーワード | 土木材料 / 複合材料・物性 / 耐久性 |
研究概要 |
土木構造物の効率的かつ安全な整備のために活用されている、連続繊維補強材および連続繊維シート補強材の実際の適用条件における長期耐久性にはまだ未解明の部分が多いことから、本課題ではこれらの材料の実環境に暴露された試験供試体を回収・調査し、その劣化特性や耐久性(劣化因子やメカニズム、劣化速度など)を解明しようとするものである。 連続繊維補強材については、21年度に回収された、海洋技術総合研究施設(駿河湾沖の海上施設)およびつくば(土木研究所構内)において15~20年間暴露試験に供された、緊張状態で暴露された供試体について、前年度に引き続いて引張試験による残存力学物性の調査を実施し、概ね計画した全ての試料の調査を完了した。さらに前年度までの結果もあわせて解析を進め、この材料の長期耐久性に関する論文としてとりまとめて投稿・一部発表を行った。 連続繊維シート補強材については、つくば、沖縄、シェルブルックにおいて、10年間暴露試験後に回収され、21年度に物性試験を実施した供試体の調査結果について論文としてとりまとめて、国際会議における発表を行った。 また、新たにシート補強材のコンクリートへの長期接着耐久性を評価するための供試体を作成し、沖縄暴露場における暴露試験を開始した。 今後は回収供試体の化学的な分析をさらに進めそ新たなデータを得ると共に、これらのデータを整理・解析することにより、連続繊維補強材・シート補強材の劣化のメカニズム、因子など、実環境における耐久性の詳細を解明し、論文としてとりまとめて成果公表を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主要な部分である、補強材(ケーブル)の回収、除荷、残存強度測定は計画通り既に終了し、また、劣化化学分析も何度かの試みにより有効であることが示されている。また、シート補強材についても10年供試体回収、物性試験が完了するとともに、新たなシリーズの暴露試験開始もほぼ完了している。今後はこれまでの成果を学術論文としてのとりまとめと公表が残っているが、これらの進捗状況から、概ね順調と判断できる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はいくつかの残存試料の劣化の化学分析、新たに開始した暴露試験の初期値測定、これまでの成果のとりまとめと公表が、本課題で実施すべき今後の推進方策と認識している。
|