研究課題
地震時の砂地盤の液状化により、道路・鉄道・河川・各種ライフライン施設や建築物などのさまざまな構造物が多大な被害を受けてきた。しかしながら、各種の要因が本質的にどのようなメカニズムにより液状化特性に影響を及ぼしているかについては、十分な知見が得られていないのが実情である。さらに、液状化した地盤が側方流動をおこすと100%を超えるような大きなひずみレベルまで変形する場合があることが、既往の実事例の調査や模型実験により示されているが、三軸試験に代表される通常の室内土質試験において、このような大きなひずみレベルまでのデータを得ることは、技術的に数多くの困難を伴う。以上の背景のもとで、本研究では、砂質土の液状化特性に及ぼす諸要因の影響を統一的かつ合理的に考慮できるモデル化を行うとともに、その適用範囲を大ひずみレベルおよび広範囲な応力状態まで拡張することを目的とした検討を実施した。前年度に実施したリング単純せん断試験装置を用いた繰返し載荷大変形試験では、試験装置の一部であるキャップとペデスタルの改造を実施しないと、当初予定していた結果を得られないことが判明した。この試験を適切な方法で実施して大変形領域における液状化特性を把握することは、本研究を遂行するうえで必要不可欠であるため、本年度において試験装置の必要な改造を行ったうえで追加試験を実施し、試験方法の妥当性を評価したうえで試験結果を整理・分析した。さらに、モデル化に関するこれまでの検討成果をとりまとめて学術論文として投稿するとともに、いくつかの国際学会で発表した。
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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Soils and Foundations
巻: Vol.53, No.1 ページ: 23-34
巻: Vol.52, No.3 ページ: 498-510