研究概要 |
(1)構造物の液状化対策法としての有効性を検証すると共に適切な対策範囲についての知見を得るための遠心模型実験を平成22年度に続いて行った。構造物は盛土とし、未改良地盤(飽和地盤)と対策範囲を変えた対策地盤(部分的に不飽和領域を設けた地盤)のケースについて合計6ケースの実験を行った。また、地盤の相対密度を変えた実験も行い、不飽和化による液状化対策効果を液状化強度の異なる地盤について動的遠心実験により多角的に検証した。実験では、地盤の飽和度の制御が極めて重要であるため、模型地盤の飽和度の制御法と高精度の測定法(模型地盤全体の飽和度を0.1%の精度で制御)を用いて初期条件の明確な実験を行った。 (2)不飽和化による液状化強度増加率が土の体積ひずみポテンシャルによりユニークに評価できることを砂質土を対象とした試験により明らかにしてきたが,塑性を有するシルトについても検証した。その結果,塑性指数が80の粘土を20%混合した砂では,不飽和化による強度増加率はきれいな砂のそれよりも低下することがわかった。
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