研究課題/領域番号 |
21360230
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30171755)
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研究分担者 |
真野 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50111258)
風間 聡 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50272018)
梅田 信 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10447138)
佐々木 幹夫 八戸工業大学, 工学部, 教授 (30118195)
長林 久夫 日本大学, 工学部, 教授 (70102431)
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キーワード | 河口 / 地球温暖化 / 海面上昇 / 塩分遡上 / 河口地形 / 感潮域 / 平衡断面 / 河口砂州 |
研究概要 |
岩木川を対象とした研究では、十三湖における水理特性に関する研究および生物(ヤマトシジミ)の生息に関する研究を実施した。汽水湖の環境を大きく左右する海からの塩分流入量を評価するために、湖水の水収支に加え、潮位と湖水位の差に応じた力学的条件を考慮して、十三湖と日本海の流入出量を求める方法を検討した。その結果、水戸口の通過流量および流入塩分量について、妥当な結果を得ることができた。ただし、強風時に生じる吹き寄せの影響を別途考慮する必要性が示唆された。 地球温暖化に伴う海水面の上昇に伴い日本の多くの海岸線が後退する可能性がある。砂丘の高さが十分に発達している海浜において越波が生じることは稀であるが、背後にラグーンが存在する海浜においては砂浜の高さが十分に発達せず高波浪時に越波が生じることがある。このようなラグーンには多様な生物が生息することが多く、越波による土砂移動、堆積による干潟の浅化、砂質化、干出面積の減少は大きな問題である。よって、干潟内の土砂堆積を防ぐためにも、越波により生じる堆積土砂量の把握、予測、また、場合によっては対策の検討が必要となる。そこで、2009年10月8日に来襲した台風18号によって蒲生干潟周辺海浜に越波が生じ土砂堆積が確認された。現地調査によりそれぞれの測線上における堆積砂量の実測値を得た。また、堆積砂量の合計は930m^3となった。また、既存の算定式により堆積砂量の計算値を得、その実測値と計算値を比較した結果、0.5倍~2倍の範囲に収まっており、台風18号のような波浪条件においても既存の算定式が適用できることが分かった。さらに、それぞれの地点において堆積砂量を求め、越波防止堤の効果を検証した。構造物の設置により、砂丘標高が維持され、越波およびそれに伴う土砂堆積を防止する役割を果たしていることが明らかとなった。
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