研究概要 |
本研究では,わが国の都市間交通研究をリードする中堅・若手研究者がチームを組み,平成19年7月に公開された平成17年調査を含む過去4回の全国幹線旅客純流動調査(以下旅客純流動調査)のデータと追加調査・計測結果の分析を通じて,都市間旅客交通に固有の特性を考慮した調査方法・分析方法を開発・整理する。さらに人口減少下でも利便性を確保できるようなネットワークを求める計画モデルを作成し,国土幹線交通マネジメントの方法論を提案することを目的とする。成果はテキストとして取りまとめ,セミナー等を通じて次世代研究者の育成を図る。 平成23年度は,現在の旅客純流動調査に,追加的なアンケート調査と実態観測データを結合して,旅客行動の時間的側面やリスク対応行動を効率的に把握する調査方法を確立するための研究を行った。観光・宿泊関連の統計データを結合して季節変動を加味するための研究と,独自のWeb調査により行動の周期性と変動をつかむ方法の検討を進めた。 また,需要と頻度との累積的相互関係やネットワーク性を踏まえ,人口縮小下でも利便性が確保できる交通ネットワーク構造,運行頻度・運賃レベルを求める最適化手法を確立するという目的に沿って,最適化モデルの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
純流動調査の調査票の拡大過程において,追加的な情報を用いた補正方法についての研究を進めてきたが,平成22年秋の調査日が諸所の事情で12月にずれ込んだため,この提案手法が実務に応用される可能性が高まり,研究の応用性という点で当初の見込みよりも進んでる面がある。一方で,東日本大震災の発生に伴い,年間拡大データの入手に遅れが生じているが,カバーできる範囲の遅れであると考えている。
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