研究分担者 |
吉井 稔雄 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (90262120)
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 准教授 (10263104)
菊池 輝 東北工業大学, 工学部, 准教授 (00343236)
嶋本 寛 京都大学, 工学研究科, 講師 (90464304)
山崎 浩気 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (60612455)
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研究概要 |
本研究課題では動的交通データの利用を前提として,道路ネットワークが提供可能な交通サービス水準およびその変動状況を分析・評価する体系的方法論を構築すること,ならびに,交通サービス水準向上を企図したマネジメント手法の提案を目的としてきた.最終年度となる23年度は,以下の2テーマを実施するとともに,3力年の成果をとりまとめた. (1)交通サービス水準変動を評価可能な交通シミュレーションの構築 道路ネットワークのサービス水準のマネジメント方策の効果を分析し,その実効性を予測するため,交通状態の時間変化を考慮可能な交通シミュレーションの利用について検討してきた.ここではミクロ交通シミュレーションをベースに情報提供,混雑課金等のソフト的対策に対する利用者の反応の差異を表現できる評価ツールを構築してきた.過年度成果として得られた外的要因,供給側要因,需要側要因と道路交通サービス水準の関係を考慮し,明示的かつ実証的にサービス水準変動をシミュレーション可能となるよう工夫してきた.加えて道路ネットワークのサービス水準のマネジメント方策実施に伴う道路交通需要の変化を予測するため,新規路線供用,情報提供等のハード・ソフト両面の施策実施時の交通行動変化を分析してきた.高速道路に限定されるが,ETCデータを活用し,高速道路利用の経時変化について統計的分析を行った. (2)道路交通サービス水準変動のマネジメント手法の構築 21~22年度の成果および(1)に基づき,道路交通サービス水準変動評価システムとしてまとめ上げるための検討を進めた.この診断システムの適用を想定しつつ,所要時間信頼性を考慮したサービス水準の評価,サービス水準低下要因の特定・診断,分析診断結果に基づくサービス水準改善施策の立案など,道路交通サービス水準の変動をマネジメントするための方法論を構築してきた.
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