研究課題
研究2年度目である平成22年度においては、各研究テーマについて次のとおり実施した。1. 1.5車線的道路整備の道路形状の分類とその数値化中山間部の道路の見通しの程度をシミュレートする仕組みを検討した。10mメッシュの標高データを用いて見通しの判定を試みたが、実測値と乖離した結果となり、他のデータを用いた仕組みとして、計測車を走行させることで自動的に得られるデータを用いた方法が有効との結論に至り、車両計測調査を実施した。有用性の評価は平成24年度に実施する予定である。2. 道路形状や交通特徴及び設置システムや機器のドライバーに与える影響の評価とその数値化1.5車線的道路整備がドライバーや地域に与える影響を評価することを目的として、未整備道路の課題について、本研究者と道路管理者でブレーンストーミングを行い整理した。整理した課題は、事故、災害、管理・工事・コスト、ハードウェアの課題、見通し、疲労・ストレス、観光・地域イメージ、走りやすさ、社会的な側面に分類された。さらに、未整備道路の課題を表現する指標の検討を行った。検討結果の道路整備の評価指標は、管理費用、災害の危険性、地域イメージ、QOL、見通し、走りやすさ、事故危険性、疲労・ストレス、利用者コストに分類された。3. 関連する各種数値化データに基づく評価用ツールの開発1.5車線的道路整備を交通流シミュレータで表現する場合、行き違いが不可能な狭隘区間での離合の表現が大きな課題となる。そこで世界的に知名度が高いPTV社のVissimと、研究分担者らによる交通流シミュレーションモデルであるKUNJ-Sakura(以下Sakuraと称する)の適用性を検討した。検討の結果、Vissimは最も重要な機能である対向車との行き違いを表現することが不可能であるが、Sakuraはモデルを改良することで対応可能なことが明らかとなり、Sakuraの改良方針の検討を行った。
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写真測量とリモートセンシング
巻: Vol.49, No.6 ページ: 381-386
第30回交通工学研究発表会論文報告集
巻: (CD-ROM)