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2009 年度 実績報告書

底生微細藻類の浅海域物質循環に果たす役割の解明と環境保全への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21360249
研究機関東北大学

研究代表者

西村 修  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80208214)

研究分担者 野村 宗弘  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70359537)
キーワード底生微細藻類 / 浅海域 / 物質循環 / 安定同位体 / 脂肪酸
研究概要

底生微細藻類は干潟における主要な一次生産者である一方,底質にO_2や細胞外高分子物質(EPS)を供給し,分解者であるバクテリアを活性化させることによって有機物の分解を促進させる役割も担っていると考えられている.既往の研究のなかで干潟メソコスム実験系において非遮光系では遮光系と比較して有機物の蓄積が抑制されたという報告もあり,底生藻類の代謝が微生物群集の呼吸活性を増大させ,それによる有機物分解が藻類の有機物生産よりも卓越したためと考察されている.そこで本研究では干潟生態系において底生微細藻類が有機物の生産と分解のバランスに作用するプロセスと,その結果堆積有機物収支に与える影響について検討し,以下のような結論を得た。
・底生微細藻類の光合成がバクテリアの有機物分解活性に与える影響は,底質へのO_2供給によるものではない.
・干潟においては砂質,砂泥質,泥質といった底質性状で区別できる場所に関わらず,光合成によって生産された有機物はバクテリアによって生産速度とほぼ同じ速度で分解される.
・干潟底質中の有機物の大部分が難分解性であり,それらの有機物はDOを供給しただけでは分解されない.
・干潟底質中の生態系において,底生微細藻類が生産した有機物はバクテリア活性の制限要因となる資化分解基質であり,底生微細藻類の生産量が大きくなるとそれにともなって分解量も大きくなるため,結果的に有機物収支に影響が現れない.
・底生微細藻類の光合成があることでバクテリア活性が高く保たれ,外来性有機物の分解が促進される.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Analysis of Organic Matters Transportation by Stable Isotope and Fatty Acids in Benthic Ecosystems of Zostera japonica Meadows2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Nagahama, O.Nishimura, et.al.
    • 雑誌名

      Proceeding of the 3^<rd> international conference on estuaries and coasts 1

      ページ: 329-335

  • [雑誌論文] Estimation of Origin of Sediment Organic Matters in Tidal Flat by Acid Decomposability2009

    • 著者名/発表者名
      W.S.Shin, O.Nishimura, et.al.
    • 雑誌名

      Proceeding of the 3^<rd> international conference on estuaries and coasts 1

      ページ: 373-379

  • [学会発表] コアマモ場における底生動物の食物網解析2010

    • 著者名/発表者名
      長濱祐美, 西村修, ほか
    • 学会等名
      第44回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2010-03-15
  • [学会発表] 底生微細藻類の分泌する細胞外有機物が干潟堆積有機物分解に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      阿久津正浩, 西村修, ほか
    • 学会等名
      平成21年度土木学会東北支部技術研究発表会
    • 発表場所
      郡山
    • 年月日
      2010-03-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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