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2010 年度 実績報告書

底生微細藻類の浅海域物質循環に果たす役割の解明と環境保全への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21360249
研究機関東北大学

研究代表者

西村 修  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80208214)

研究分担者 野村 宗弘  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70359537)
キーワード底生微細藻類 / 浅海域 / 物質循環 / 安定同位体 / 脂肪酸
研究概要

本研究では、干潟堆積有機物の分解過程におけるバクテリアの炭素、窒素安定同位体比を分析することで、バクテリアが同化している有機物起源を推定した。あわせて分解過程における堆積有機物の脂肪酸組成の経時変化を分析することで、どの生物に由来する有機物を分解しているかを明らかにし、干潟に堆積する有機物の分解特性を考察した。
堆積有機物および食物源候補である陸上植物、海洋粒状有機物、河川粒状有機物および底生微小藻類は、蒲生干潟および七北田川河口より採取した。安定同位対比により陸上植物(δ13C=-26.6、δ15N=3.6)および河川粒状有機物(δ13C=-25.5、δ15N=8.9)は、底生微小藻類(δ13C=-16.3、δ15N=6.2)および海洋粒状有機物(δ13C=-20.3、δ15N=10.3)と明確に区別できた。
干潟堆積物をアクリル製コアーサンプラーによって採取し、そのコアーを押し上げて表層堆積物0.5cmを採取し実験室に持ち帰った。そして、採集した堆積物を全て混合しシャーレ(直径10cm×高さ1cm)に高さ0.5cmまで入れて暗室で分解実験を行った。
50日間の堆積有機物の分解実験において、堆積有機物のδ13C値は-19.1 ‰から20.7 ‰に減少した。この理由はバクテリアがより高いδ13Cを有する有機物、すなわち底生微小藻類および海洋粒状有機物を優先的に利用するためと考えられた。また脂肪酸をバイオマーカとした解析から陸上植物および河川粒状有機物は、底生微小藻類および海洋粒状有機物の分解が進行した後に分解し始めることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 海草コアマモ場と近傍裸地における底質有機物の起源2011

    • 著者名/発表者名
      長濱祐美、中山亮、Woo-Seok Shin、藤林恵、野村宗弘、西村修
    • 雑誌名

      土木学会論文集G(環境)

      巻: 67(7) ページ: III_117-III_122

    • 査読あり
  • [学会発表] Contribution of Phragmites australis as nutrition for macrobenthos in esturine tidal flats2011

    • 著者名/発表者名
      Woo-Seok SHIN, Megumu FUJIBAYASHI, Yumi NAGAHAMA, Munehiro NOMURA, Kazunori NAKANO, Yoshio AIKAWA, Osamu NISHIMURA
    • 学会等名
      第4回IWAアジア太平洋地域会議
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-10-05

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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