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2010 年度 実績報告書

既存鉄筋コンクリート造柱の袖壁補強による連成抵抗機構の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21360266
研究機関名古屋大学

研究代表者

勅使川原 正臣  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50344007)

キーワード袖壁 / 耐震補強 / 鉛直接合筋 / 連成抵抗機構 / せん断強度
研究概要

本研究は,既存の鉄筋コンクリート造柱と補強袖壁の連成抵抗機構に着目し,破壊機構の理論的な解明を通して,袖壁補強工法の耐力評価法を提案することを目的とする。連成抵抗機構とは,既存の柱と補強袖壁の抵抗モーメントの連成を考慮したメカニズムであり,耐力評価の難しい袖壁付き柱の破壊のメカニズムを理論的に明らかすることができる。補強袖付き柱の応力と耐力を理論的に評価できると考えられる連成抵抗機構に着目することで,袖壁付き柱の耐力評価方法、特に袖壁補強された柱のせん断強度、接合部の設計方法など現状の問題を解決できるのではないかと期待される。ひいては,耐震補強だけでなく,設計時の袖壁の耐力評価が可能になり,柔軟な設計が実現できる。
平成22年度は,袖壁長さの長い両側袖壁補強柱試験体(袖壁長さ/柱せい=1.5)を4体,片側袖壁補強柱試験体を2体,既存の袖壁付柱に対して,直交方向に袖壁を増し打ちした試験体を2体,計8体の試験体を製作し,水平加力実験を行った。試験体の縮尺は1/2である。試験体のパラメータは鉛直接合筋比,既存柱の破壊形式である。袖壁長さの長い両側袖壁補強柱試験体では,鉛直接合筋比の大小や既存柱の破壊形式によって,全体の破壊性状や最大耐力が異なることを実験的に明らかにし,力の釣り合いに基づいた終局強度評価式によって,最大耐力を適切に評価できることを示した。片側袖壁補強柱試験体では,鉛直接合筋比によって,最大耐力が若干変わるものの,剛性や変形性能には影響しないことを実験的に明らかにした。袖壁増し打ち試験体では,増し打ち袖壁と既存袖壁が一体となって挙動することを確認した。
平成23年度は,過去に行った実験結果を踏まえ,袖壁補強工法の実用的な設計方法を提案していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 鉄筋コンクリート造両側袖壁補強柱のせん断終局強度評価2011

    • 著者名/発表者名
      中村聡宏, 勅使川原正臣, 井上芳生, 太田勤
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集

      巻: 第76巻,第661号 ページ: 619-627

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鉛直接合筋の少ない袖壁補強柱の終局強度に関する実験的研究2010

    • 著者名/発表者名
      中村聡宏, 勅使川原正臣, 井上芳生, 太田勤
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: vol.32, No.2 ページ: 1033-1038

    • 査読あり
  • [学会発表] 袖壁補強柱の鉛直接合部設計法2010

    • 著者名/発表者名
      中村聡宏, 勅使川原正臣, 井上芳生, 太田勤, 田尻清太郎, 谷口政和
    • 学会等名
      日本建築学会大会C-2分冊,p.541-542
    • 発表場所
      富山大学キャンパス
    • 年月日
      20100909-20100911
  • [備考]

    • URL

      http://www.degas.nuac.nagoya-u.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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