研究課題/領域番号 |
21360268
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
荒木 秀夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40159497)
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研究分担者 |
南 宏一 福山大学, 工学部, 教授 (10079519)
佐藤 立美 広島工業大学, 工学部, 教授 (00087975)
森村 毅 近畿大学, 工学部, 教授 (00088600)
寺岡 勝 呉工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (60442464)
八十島 章 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教 (80437574)
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キーワード | 低強度コンクリート / 曲げ耐力評価 / 付着性能 / 抵抗機構 / 補強 / 残存軸耐力 / 耐震改修 / 耐震診断 |
研究概要 |
2000年頃から既存建物の低強度コンクリートの問題が顕在化し始め、低強度コンクリート部材に関する研究が一部の研究機関で行われてきた経緯がある。その主たる目的は補強を目的とした柱のせん断強度の把握であり、建物全体の耐震性能を考えると不十分と言わざるを得ない。本研究は総合的に低強度コンクリート建物の耐震性を把握するために、初年度において上に挙げた各研究機関で分担して、建物の構成部材である柱、梁、壁、骨組等の低強度コンクリート部材の加力実験を実施し、基礎的なデータの蓄積を行った。柱、梁部材では合理的な補強方法の開発を目指す実験も含まれている。耐震壁に関しては低強度コンクリートを用いたものは本研究が初めてであり、貴重な報告となっている。結論としては既往の評価式を組み合わせることで安全側の評価ができることを示している。また低強度コンクリート部材の抵抗機構を把握するためにコンクリートと鉄筋の付着性能を実験的に明らかにし、モーメント抵抗型の建物において主たる抵抗要素となる柱や梁の曲げ性能を明らかにするとともに、低強度部材の曲げ耐力計算法の妥当性を検証した。また、柱は水平力ばかりでなく建物自重による鉛直力も負担しており、最終的な耐震性能といえる残存軸耐力(鉛直荷重支持能力)に関して実験的に検証した。これらの結果は今後の既存建物の耐震診断・改修に対して貴重な判断材料になりうると考えられる。平成21年度日本建築学会中国支部研究報告会(2009.3.7近畿大学工学部)で当研究に関して10編発表した。また、平成22年度の日本建築学会大会および日本コンクリート工学協会年次大会で発表する予定である。
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