研究課題/領域番号 |
21360270
|
研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
久田 嘉章 工学院大学, 工学部, 教授 (70218709)
|
研究分担者 |
青井 真 独立行政人防災科学技術研究所, 地震研究部, 主任研究員 (80360379)
川辺 秀憲 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (00346066)
永野 正行 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60416865)
吉村 智昭 大成建設技術センター, 建築技術研究所・防災研究室, 主任研究員 (20374043)
境 有紀 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (10235129)
|
キーワード | 強震動予測手法 / ベンチマークテスト / 理論的手法 / 数値解析手法 / 統計的グリーン関数法 / 計算コード / 設計用入力地震動 / サイト波 |
研究概要 |
本研究の目的は、強震動予測手法による計算コード(ソフトウェア)を、精度・ばらつきの検証と様々な震源・地盤タイプ別の計算実例、およびマニュアル・解説とともに一般公開し、構造設計の実務者が設計用入力地震動の作成に容易に利用できる環境を整備することにある。強震動予測の代表的手法である3手法(理論的手法、数値解析手法、統計的グリーン関数法)を対象として、第一線で活躍する研究者・実務者の公募による参加により、比較的単純な同一の震源・地盤条件の下で結果の相互比較を行い、その適用範囲やバラツキを検討するベンチマークテストを実施している。平成21年度に実施した比較的単純な震源・地盤モデルを対象としたステップ1・2に引き続き、平成22年度は、より複雑な震源・地盤モデルを対象にしたステップ3・4を実施した。まず理論的手法のベンチマークテストでは、地盤モデルとして工学的基盤までを含む4層地盤に拡張し、地表点を含む点震源を対象としたステップ3と、面震源(地中と地表の横ずれ断層)を対象としたステップ4とし、波数積分法、薄層法、離散化波数法で実施した。各結果はおおむね一致したが、減衰(Q値)の導入法や地表震源の導入法に起因し、結果に差異が出ることが確認された。次に数値解析手法では4層地盤モデルに加えて、単純な3次元盆地モデルを対象に、差分法と有限要素法を用いて実施した。全体的にはほぼ一致した結果が得られたが、地盤層境界での物性値の導入法やモデル領域境界での反射波の処理法などの違いにより後続波形に差異が見られ、注意点となることが分かった。最後に、統計的グリーン関数法でも同様な条件下で、表層への斜め入射をも考慮してSH・SV波を対象に実施した。結果は乱数によるばらつきの範囲内でほぼ互いに一致することを確認したが、斜め入射による地盤増幅率の設定法などに起因し、結果に違いが生じることを確認した。得られた結果は各種学会・シンポジウムでの口頭発表、日本建築学会技術報告集などでの論文発表、さらにHP等で資料・データを公開した。
|