研究課題/領域番号 |
21360271
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
西谷 章 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70156074)
|
研究分担者 |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (30063720)
仁田 佳宏 足利工業大学, 工学部, 准教授 (10318834)
三浦 悟 鹿島建設, 技術研究所, 研究員 (20374027)
高橋 元一 鹿島建設, 技術研究所, 研究員 (80416700)
|
キーワード | 変位計測 / モニタリング / 損傷度 / 光位置検出 / フォトトランジスターアレイ / 層間変位センサ / 健全度診断 / 実建物 |
研究概要 |
本研究は、層間変形の高精度かつ簡便な計測・モニタリングをもとに、地震後の建物安全性判定と補修・補強を目的として、損傷箇所あるいは損傷層を特定し、同時に定量的な損傷度判定を行うための実用的な手法を確立しようとするものである。層間変位を、積分等の計算を経ずに直接的に計測することで、損傷判定精度の向上、計測システムの簡素化の実現等、この手法の利点は大きい。 本年度は初年度であり、第2年度実施予定の、実建物加振時のモニタリング実験に向けて、すでに開発している「光位置検出素子センサ」と「フォトトランジスタアレイセンサ」の2種類の層間変位センサの有効範囲の検証と有効性の確認を目的として、予備実験を行った。予備実験を通して、両センサの設置法の確認と改良点の確認、そして計測精度の検証・確認を行った。研究分担者の所属する鹿島建設・技術研究所内の鉄骨3層建物を用いて、屋上に起振機を設置し、層間変形を中心とした計測を行った。本建物は、セミアクティブに制御されるブレース機構を有しており、この機構を利用することで、次年度以降のブレース破断等の耐震要素損傷時の検知あるいは損傷箇所の特定に向けた、予備実験としての役割も果たした。 以上の実験を通して、層間変位計測に基づくモニタリングシステムの妥当性・有効性の検証を行うことができた。この内容については、日本建築学会構造系論文集(2010年7月)への掲載が決定している。 また、複数層における層間変位計測を前提とする、損傷層・箇所の特定および損傷度評価アルゴリズムの確立に向けて、検討対象とる建物の立体フレームモデルおよび質点系モデルを構築した。両モデルを用いて、コンピュータシミュレーションを通して、アルゴリズムの検討を進めた。第2年度もひきつづき、この検討を行う。
|