研究課題/領域番号 |
21360273
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研究機関 | 国土技術政策総合研究所 |
研究代表者 |
喜々津 仁密 国土技術政策総合研究所, 総合技術政策研究センター, 主任研究官 (10370694)
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研究分担者 |
奧田 泰雄 独立行政法人建築研究所, 構造研究グループ, 上席研究員 (70201994)
神田 順 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (80134477)
河井 宏允 京都大学, 防災研究所, 教授 (60027282)
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キーワード | 竜巻 / 突風危険度 / 減災・防災 / 竜巻発生装置 / ランキン渦モデル / PIV実験 / POD解析 |
研究概要 |
本研究課題では、我が国で近年相次いで発生した甚大な竜巻災害等の背景を踏まえて、屋内型の竜巻発生装置を開発し、竜巻による突風危険度に関する各種の評価を行うことを目的としている。平成22年度には、前年度に製作した竜巻発生装置による実験気流の基本特性の把握を行った。 具体的には、実験気流の特性がランキン渦に基づく竜巻工学モデルにどの程度対応しているか確認するため、風圧実験及びPIV (Particle Image Velocimetry)と呼ばれる気流可視化実験を実施した。実験の結果から、接線風速と圧力降下量いずれもモデル式に適合しているこことを確認した。さらに、実験気流を制御する各種設定値(送風機の回転数、ガイドベーンの角度、収束層高さ)と竜巻工学モデルを規定する数値との関係を整理した。次に、PIV実験データを活用して実験気流の変動流速場の組織的な構造の抽出を目的としたPOD(固有関数直交展開)解析を試みた。ガイドベーン角度の違いに着目した解析の結果、角度の増加とともに低次モードの寄与率が小さくなる、つまり渦構造がより複雑になっていることを確認した。また、比較的角度が小さい場合(20~30度)と大きくした場合(55度)との間で異なるモード形状が抽出され、後者の流速場構造は、既往の研究で指摘されている2セルタイプの渦構造に対応するものと考察している。これらの結果から、変動流速場の組織的な構造がガイドベーンの条件によって変化することを明らかにした。
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