本研究は、都市部に分散配置された発電拠点から電力と熱を併供給する分散エネルギーシステムを中核とした再生可能エネルギー導入拡大の可能性に着目し、遺伝的アルゴリズムを用いたエネルギーシステム最適計画手法を拡張した「再生可能エネルギー導入最適化設計支援ツール」の開発に取組むものである。今年度は下記の3課題を実施した。 課題4)再生可能エネルギー最適化モデルの拡張 再生可能エネルギーを用いる機器を検討対象に加え、検討街区に潜在する再生可能エネルギーの活用を検討できる最適化モデルの拡張に取り組んだ。再生可能エネルギーは、太陽光、太陽熱、地中熱、風力、バイオマスを対象とし、計算モジュールを作成した。 課題5)建物間エネルギー融通最適化モデル拡張 再生可能エネルギー導入に対して課題となる、システム全体の効率向上、自然条件の変動による供給不安定への対応という課題に対して有効性が期待される分散エネルギーシステムを計画するために、開発中の最適化モデルを拡張し、建物間エネルギー融通モデルの開発を行った。ここでは、プロトタイプとして建物用途の異なる2棟の建物間でのエネルギー融通を想定し、2棟が保有するシステム全体の最適化計画と、その最適運用について検討を行った。
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