(1)持続可能性指標の検討 【A】経済・雇用の安定性に関する指標化を試み、地域産業政策の観点から、政策研究、実証分析などを行った。また、東京圏の主要なニュータウンを対象に、いくつかの指標を用いてその持続可能性を評価した。 (2)持続可能な都市政策の実施状況と実態調査 鳥取県・島根県の中海圏を対象として、【A】経済・雇用、【C】環境保全、【D】人口の安定にかかる定住自立圏政策の取り組みについてヒアリング調査により把握した。 【C】【E】暮らしやすい都市構造の観点から、北九州市と千代田区における低炭素型地区開発の取り組みについて調査研究を実施し、課題の所在は技術的側面、制度的側面、マーケット的側面に分類されることが明らかにして、それぞれの側面について提言を行った。 地域政策の評価として、韓国の国土・地域計画を知識ネットワークの観点から評価し、日本への示唆を導いた。また、【B】社会的公平性も含めた都市・地域政策では、欧州の事例が参考になる。中核的都市の再生と広域的波及効果に着目して、フランスのリール、ボルドーの都市再生政策の現地ヒアリング調査と評価を行った。 (3)地域計画の将来の課題 【D】持続可能性の人口の安定という面に着目をして、地域圏における合計特殊出生率の変化に関する研究を行った。1990年、2000年、2005年の都市雇用圏単位での合計特殊出生率を算出し、都市雇用圏における合計特殊出生率の経年変化に影響を与えている要因についての検討を行うた。 次年度への予備的な議論として、都市構造の変容が社会問題か否か、そのメカニズムは何か、どのような対応策を取るべきかに関して、政策担当者、利害関係者、学識経験者からそれぞれ論理的な見解が提出されつつも、相互に一致しない原因を、社会学的アプローチから説明する事を試みた。 実践的な取り組みとして、中海圏を対象に、【A】~【E】を勘案した将来の課題把握と対策を提案する学生ワークショップを、米子高専の教員・学生と合同で実施した。
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