研究課題/領域番号 |
21360291
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 哮義 京都大学, 防災研究所, 教授 (70293959)
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研究分担者 |
樋本 圭佑 京都大学, 次世代開拓研究ユニット, 特定助教 (90436527)
大宮 善文 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (10287469)
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キーワード | 地震火災 / 住民避難 / 延焼モデル / 避難性状予測 |
研究概要 |
本年度実施した研究の概要は下記の(a)-(c)に示す通りである。 (a)延焼予測計算モデルの高速化 京都市程度(人口140万人、家屋数4~50万棟)での同時多発火災の延焼予測を可能にするために、モデルの計算手法の高速化を行った。この手法の要点は、既存のモデルが個々の建物の火災性状をオイラー法による前進差分で数値計算していたのに対し、準定常の仮定を設けて質量・エネルギーの保存式を解く方法によったこと、および建物の区画材料の物性値を一様としたことの2点である。これにより、計算時間ステップを150倍に延ばすことが出来、計算時間は概ね1/120程度に短縮された。この単純化による精度は、オイラー法による既存のモデルによる予測値、および酒田市大火の調査データとの比較で検証したが、従来のモデルに対し遜色のない精度が得られた。 (b)住民等による京都市の広域避難場所の認知に関する調査 地震火災時の住民等の避難性状の予測において、避難者が普段から安全な避難先として、何処をどの程度認識しているかが問題となるため、京都市内の約100地点で、各30人前後の住民等に対し、京都市の指定する広域避難地が、地点毎にどの程度認識されているかをヒヤリング調査した。 (c)延焼を受けた建物内における火災拡大速度に関する実験的解析 市街地火災の単位となる建物火災の性状についての既往のモデルの効率化を図るため、建物内火災の延焼性状の模型実験を行い、気負うのモデルによる予測との比較を行った。
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