研究課題/領域番号 |
21360292
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
北後 明彦 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (30304124)
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研究分担者 |
関澤 愛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30358775)
野竹 宏彰 清水建設株式会社, 技術研究所, 研究員 (50550167)
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キーワード | 地震 / 階避難 / 物品散乱 / 避難シミュレーション / 歩行実験 |
研究概要 |
家具・機器類の転倒時の室内歩行速度調査に関しては、地震動の直後に見られる物品が散乱した通路を想定した歩行実験を、神戸大学都市安全研究センター実験棟にて被験者48人で実施した。その結果、通路における散乱物は、歩行速度に大きな影響を与えることが明らかとなった。その際には、散乱物密度が大きいほど歩行速度の低下も大きくなると言える。ただし、自由歩行時と比較した場合、散乱物密度がたとえ小さい場合であっても、歩行速度の低下は非常に大であり、散乱物が歩行速度に与える影響は、散乱物が少ない場合であっても無視できない。また、通路に擬似的なガラス片を配置した場合、危険だと感じる物への影響は非常に大きいことが判明した。また、個人的な要因としては、背の高い男性ほど歩行は速く、背の低い女性ほど遅い傾向が出た。 地震時の管理スタッフ対応シナリオに関する同定調査、高層建築物での被害シナリオ同定調査に関しては、過去の同種調査での資料収集を行い、各シナリオの傾向を整理した。 地震時の階避難シミュレーションモデルの開発に関しては、在館者の避難行動を予測するためにオブジェクト指向に基づく避難シミュレーションモデルを用いて、各フロアにおける避難階段の入り口までの行動予測ができるように階避難シミュレーションモデルを開発した。この避難シミュレーションモデルの条件設定に、地震後の建築物内での物品散乱等の避難障害が、地震時の在館者の避難行動に与える影響について、前記家具・機器類の転倒時の室内歩行速度実験から得られた歩行速度の結果を反映させ、避難経路の遮断や閉塞が、避難完了時間や避難行動に与える影響について検討・考察した。
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