研究課題/領域番号 |
21360293
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
出口 敦 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (70222148)
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研究分担者 |
坂井 猛 九州大学, 新キャンパス計画推進室, 教授 (30253496)
有馬 隆文 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (00232067)
趙 世晨 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (80304848)
鶴崎 直樹 九州大学, 新キャンパス計画推進室, 准教授 (20264096)
長 聡子 九州産業大学, 工学部, 講師 (70523653)
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キーワード | 都市計画 / 都市構造 / コンパクトシティ / 都心 / 環状線 / ウィーン / 公共交通 / インフラストラクチャ |
研究概要 |
平成22年度は、下記のタイプの異なる環状構造を有する海外都市の現地調査を実施し、現地で収集した調査データを基に、環状構造の現代都市における役割と課題の整理を行った。 まず、オーストリア・ウィーン市都心部の環状線(リンクシュトラッセ)の交通システムと沿道建築物の形態や用途、及び環状線内部の土地利用の実態に関する現地調査を実施し、そのデータを利用して環状線を骨格とする交通網の移動し易さと交通計画上の特性を分析した。即ち、環状線内部に分散する商業施設や公共施設間の移動し易さの度合いを施設間の移動経路解析によって明らかにすると共に、公共交通と歩行による移動し易さに関して、格子状道路パタンとの比較評価を行い、環状線を骨格とする都市構造の優位性を提示した。 次に、1970年代に都心部の公共交通や歩行者専用化の再整備がいち早く進んだドイツ・ミュンヘン市都心部を対象に、環状線沿道と環状内部の土地利用と交通規制の実態に関する現地調査を行い、環状線を中心とした公共交通の整備、自動車の交通規制、歩行者専用道路の指定の組み合わせが、環状線内部の土地利用とも密接に関係した自動車進入の抑制と快適な歩行者空間の形成を可能とする要因となっている点を明らかにした。また、その環状線につながる支線状の各街路が機能分担することによって、高密度でありながらも、通過交通車両、特定施設のアクセス車両、公共交通、自転車、徒歩等の多様な移動手段が区域内で共存し、快適な歩行者空間を支える仕組みが形成されている点を明らかにした。 更に、城壁が大規模に保存されている中国・南京市の環状構造の城壁の保存状態と周辺土地利用を現地調査し、城壁周辺の土地利用を類型化すると共に、現代都市における環状構造の城壁保存の意義と類型別の課題を整理した。
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