平成22年度は、平成21年度に行ったオランダにおける集合住宅の大規模改修事例調査の結果を受けて、大規模改修プロジェクトの成立要件の整理を行った。具体的には、既存建物の構法に依存する制約条件を明らかにするとともに、プロジェクトの法的・コスト的条件等を明確にし、データシートとして整理した。 作成したデータシートを踏まえ、オランダにおける大規模改修事例の第二次調査を行った。ここでは、プロジェクトの詳細を明らかにすることを主たる目的とし、プロジェクトのステークホルダーに対するヒアリング調査を実施した。また、オランダにおける法的条件等を明らかにするため、アムステルダムの建築設計事務所に対するヒアリング調査を行った。 並行して、フランスにおける大規模改修事例の現地調査を開始した。フランスについては、パリ周辺およびリヨンを調査対象とし、イル・ド・フランス都市計画顧問のニコラ・ビュシュー氏と密接な連携をとって調査を進めた フランスにおける調査結果については、前年度実施したオランダにおける事例調査と同様、立地・規模・建設時期・社会的環境・居住者の構成・建築的構成・建物の状態などの項目について、統一した書式により整理を行った
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