本研究では、ハイドロキシアパタイトの生体材料特性の重要因子であるドーパント・炭酸イオンを対象とし、第一原理計算による水溶液環境を考慮した置換固溶エネルギー評価法の確立およびモデル実験による固溶機構の解明を行った。Mg2+およびZn^2+置換固溶については、Zn^2+が4配位構造をとりMg^2+に較べて安定となり、さらに近接Ca^2+空孔の存在により安定化されることがわかった。また、CO-3^2-は高温条件下ではOH-基を置換し、低温ではPO43.基を置換固溶する計算結果が得られ、実験結果とよく一致した。これらの結果は本解析手法の妥当性を示すものといえる。
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