2成分系の0次元のナノクラスター・ナノ粒子から1次元のナノロッド・ワイヤ等の低次元ナノ構造体のサイズをそろえて創製する手法を開拓した。ナノクラスター、ナノ粒子についてはAuナノクラスター、Siナノ粒子を液相中で調製し、それぞれ粒径2nm以下の試料を作製した。Auクラスター、ナノ粒子は紫外領域に発光を示す特異な量子物性が発現した。Siナノ粒子もサイズに依存して紫外領域で発光波長が変化する特異な物性を示し、AuにおいてもSiにおいてもバルクでは発現しない特異な光物性が観測された。また、ナノロッドについては液相中でAuナノロッドのアスペクト比を制御して作製することに成功した。 一方、Si基板上にGaAsナノ粒子を作製し、基板の結晶方位に依存して0から2次元のナノ構造体を作製することに成功した。(111)基板上には0次元のナノ粒子を閃亜鉛鉱構造とウルツ鉱構造に作り分ける手法に成功し、(100)基板上にはナノロッドを基板と格子整合・不整合を制御して作製する手法に成功、また、(110)基板状には2次元成長した薄膜を生成する手法を開拓し、基板の結晶方位とGaAsナノ構造体間の格子歪みや表面ネルギーとの関連を解明した。これらのナノ構造体の生成手法とその機構および特異物性はこれらを組み合わせたナノ構造創製に重要な技術となる。
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