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2009 年度 実績報告書

超軽量全固体リチウム電池実現のためのイオン機能材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 21360314
研究機関東北大学

研究代表者

前川 英己  東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60238847)

研究分担者 高田 和典  (独)物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, グループリーダー (40354401)
キーワードリチウム / 二次電池 / 軽量 / 全固体 / 電解質 / イオン伝導 / 電気化学 / NMR
研究概要

LiBH_4へのハロゲン化アルカリ(LiCl,LiBr,LiI)の固溶によって、結晶相の転移温度を低温化できることが明らかになった(MaekawaらJ.Am.Chem.Soc.,131,894(2009)特願2008-125862)。現在までに、ハロゲン化物の水素化物への固溶、ならびに超イオン伝導相の室温以下までの安定化が可能であることが示された。平成21年度内は、室温以下でのリチウム超イオン伝導相の安定化と、その電気化学的評価を行った。LiBH_4を電解質として用いた全固体電池を作製し、その充放電特性を評価した。開回路電位はLi負極で4V、In負極で3.3V程度の理論起電圧と一致するが、充放電容量は理論値の数%と非常に低く、また充放電サイクル特性に難がある結果が得られた。から、専ら正極の電極-電解質界面において化学反応などの問題が生じLiBH_4とLi金属との間にはほぼ分極性の成分が見られないことから、専ら正極の電極-電解質界面において化学反応などの問題が生じている可能性が示唆される。この問題点を解決するために、電解質、電極材料、並びに電池作製時に用いる導電助剤について、容量低下を引き起こしている原因物質、あるいは反応を特定するがめ、実電池セルでの充放電測定、正極、負極のCV測定を系統的に行った。
一方、LiBH_4における超イオン伝導性について、この結晶をLi陽イオンと分子性BH_4^-陰イオンから形成されるイオン性結晶と捉え、特異なイオン伝導性を、結晶内の空サイトの存在、特に高温相の2次元的伝導パスの生成と、BH_4^-イオンの協同的な回転運動との関連から理解することを目指した。これについては、^1H NMRにおいて、-100℃以下の定温においてもC_3軸を中心としたBH_4^-イオンの回転運動が凍結されないこと、また、超イオン伝導相においてBH_4^-イオンの回転の自由度に変化が観測されることが予備的な実験により明らかになった。NMR分光法、Spring-8による放射光測定を用い、その伝導機構を分子回転の自由度とその運動速度に着目し、解析した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Complex Hydrides with (BH_4)- and (NH_2)- Anions as New Lithium Fast-Ion Conductors2009

    • 著者名/発表者名
      M.Matsuo, et al.
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 131

      ページ: 16389-16391

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stabilization of lithium superionic conduction phase and enhancement of conductivity of LiBH_4 by LiCl addition2009

    • 著者名/発表者名
      M.Matsuo, et al.
    • 雑誌名

      Appl.Phys.Lett. 94

      ページ: 084103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Experimental and computational studies on structural transitions in the LiBH_4-LiI pseudobinary system2009

    • 著者名/発表者名
      H.Oguchi, et al.
    • 雑誌名

      Appl.Phys.Lett. 94

      ページ: 141912

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      前川英己
    • 雑誌名

      次世代型二次電池材料の開発(共著)(シーエムシー出版)

      ページ: 53-66

  • [学会発表] NMR Studies of Defects in Oxides (招待講演)2009

    • 著者名/発表者名
      H.Maekawa
    • 学会等名
      MS & T 2009
    • 発表場所
      ピッツバーグ(米国)
    • 年月日
      2009-10-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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