各種酸化チタンとプローブ顕微鏡システムを用いて、紫外線照射により酸化チタンに生じる高度な親水性表面での水分子の吸着状態や、材料の形態、組織等が親水性に与える影響を検討した。ルチルセラミックスを用いた検討から、紫外線照射での親水化の初期は吸着有機物の酸化分解が、高度な親水化には水分子の光吸着が、それぞれ親水化に関与していることが明らかになった。また粒界の影響は少なく、表面に形成される水膜の厚さは概ね2-3 nm程度であることが示唆された。さらにブルッカイトにヘテロポリ酸を組み合わせた系が光誘起親水性とその暗所維持性が優れることを見出し、親水点が表面に点在した構造の効果であることが考えられた。
|