研究課題/領域番号 |
21360344
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
飴山 惠 立命館大学, 理工学部, 教授 (10184243)
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研究分担者 |
坂根 政男 立命館大学, 理工学部, 教授 (20111130)
鳥山 寿之 立命館大学, 理工学部, 教授 (30227681)
張 聖徳 立命館大学, 理工学部, 助教 (00454520)
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キーワード | ナノ結晶 / メゾ結晶 / 調和組織 / 高強度 / 高延性 / 組織制御 / 均一伸び / 変形挙動 |
研究概要 |
従来、金属材料の高機能化は組織を均質・微細にするという考え方により進められてきた。超微細結晶粒材料は、粗大結晶粒材料に比べて機械的性質や物理的・化学的性質が優れ、例えば、微細結晶粒材料ほど強度が高く、また磁気的特性、耐腐食性も向上することが知られているためである。しかしながら、均質結晶粒材料では、高強度と同時に高延性を実現することはできず、強度と延性は二律背反する問題としてとらえられてきた。 これに対して、本研究は、従来とはまったく異なる「不均質・調和・微細」という発想を基に、超微細結晶粒(ナノ結晶粒)と粗大結晶粒(メゾ結晶粒)の両者を調和的に配置したナノ・メゾ調和組織制御を行った。ナノ・メゾ調和組織とは、ナノ結晶粒領域が連続したネットワークを形成し、その網目の内部にメゾ結晶粒領域が分布配置した組織である。このナノ・メゾ調和組織は、数十ミクロン以上の金属粉末粒子を用いて、加工条件を制御することで粉末の表面と内部で異なった組織、すなわち、粉末表面ではナノメートル寸法のナノ結晶粒、内部ではミクロン寸法のメゾ結晶粒からなる特徴的なナノ・メゾ調和組織として形成される。このような組織材料の特性評価と特性発現メカニズムを明らかにすることを目的として実験、考察を行った結果、純チタン、純銅、純鉄、オーステナイト系ステンレス鋼において、調和組織材料を作製することができた。この調和組織材の引張試験結果より、これらの材料のいずれにおいても、高強度と高延性の両立した特性を示すことが明らかとなった。さらに、延性については、著しい均一伸びが発言することが明らかとなり、その理由が調和組織の特徴的な変形挙動に由来するものであることが示唆された。
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