研究課題/領域番号 |
21360347
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
向井 敏司 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, グループリーダー (40254429)
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研究分担者 |
染川 英俊 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 主任研究員 (50391222)
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キーワード | マグネシウム合金 / 高速変形 / ひずみ速度依存性 / 非底面すべり変形 / 変形双晶 / せん断帯 / マイクロクラック / 溶質原子 |
研究概要 |
マグネシウム合金のマイクロクラック形成機構を解明するという最終目標に向け、初年度は試験材料の作製および力学特性評価を実施した。また、次年度以降に開始する高精度衝撃せん断試験に用いる試験片および治具を設計した。以下にその内容を示す。 1.材料創製および力学特性評価 マグネシウム鋳造材(純度:99.95%)から、押出試験により、結晶粒径の異なる等軸結晶粒材を作製した。得られた押出材より、圧縮および引張試験片を作製し、ホプキンソン棒法衝撃試験機を用いて、一軸衝撃圧縮および引張試験を実施した。応力棒にて検出される応力波形(入力波、出力波、反射波の3種類)を積算することにより、公称応力-公称ひずみ-公称ひずみ速度関係を算出した。また、一部の試験片に貼付したひずみゲージ出力から測定したひずみと応力波形解析から算出したひずみを比較し、良い一致を示すことを確認した。引張降伏応力は圧縮降伏応力の2倍近い値となり、AZ31など実用押出合金と比較して、降伏非対称性が顕著になることを確認した。衝撃試験時の変形挙動を高速度撮影した結果、破断前までは一様変形することを確認した。 2.変形組織解析 衝撃圧縮および引張試験の変形途中で荷重を除荷し、塑性ひずみを付与した試験片縦断面をSEM/EBSDにより観察した。その結果、圧縮試験片では塑性ひずみ0.05で既に高体積率のc軸引張変形双晶が形成されており、顕著な降伏非対称性の要因であることを確認した。 3.衝撃せん断試験片の設計 圧縮・引張変形の真応力-真ひずみ関係を基礎データとして、非対称降伏・塑性モデルを汎用陽解法・動解析プログラムであるABAQUS/Explicitを用いて、三次元で解析し、せん断試験に最適なオフセット量を決定した。得られた計算結果を基に、衝撃せん断試験サンプルの形状・寸法を決定した。また、衝撃せん断試験に用いる治具を設計試作した。
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