研究課題/領域番号 |
21360350
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伏見 公志 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20271645)
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研究分担者 |
長谷川 靖哉 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80324797)
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キーワード | 走査型電気化学顕微鏡 / ヘテロ界面反応 / 反応活性分布 / 反応機構 / 反応速度論 / 不働態 / ゆらぎ |
研究概要 |
実用材料界面構造ゆらぎのin situ解析として「材料下地金属組織の不均一性(ヘテロ)を要因とする金属溶解反応および不働態皮膜形成反応のヘテロ発現機構および局部反応速度分布の定量」を図り、以下の研究成果を得た。 1)過去2年間に引き続き、LIGA技術による電極代表長さ1μm以下のプローブ微小電極の作製と走査型レーザー変位計への組み込みによる超高分解能走査型電気化学ナノ顕微鏡(SECN)システムの構築を試みた。電極代表長さ約200nmのSECN用白金プローブの作製に成功したものの、レーザー変位計ヘッドに取り付ける際の精度と位置決め再現性の確保に難航し、電極代表長さ相当の面分解能を有するSECNシステムの完成には至らなかった。 2)長焦点落射照明型偏光顕微鏡の観察視野内に試料サイズ80μmΦ程度の微小電気化学セルを配置することにより、任意の材料試料表面局部の微小電気化学測定を可能とした。硫酸水溶液環境中の純鉄の動電位アノード分極に本法を適用し、微小な電極試料に流れる電流応答を解析した結果、不働態皮膜の安定性が下地結晶粒の面方位に強く依存すること、さらに結晶粒界が不働態皮膜の不安定化と安定化の両方に影響することを検証した。 3)消光型偏光反射解析法とCCDカメラを組み合わせて、溶液中に浸漬した材料表面で反射する偏光状態を観察する偏光反射解析顕微鏡を作製した。硫酸水溶液環境中、チタンをアノード分極した際に下地結晶面方位に依存して酸化皮膜が成長する過程、さらに溶液中に添加した臭化物イオンの攻撃により酸化皮膜が局部的に劣化し孔食が発生する過程を、6fpsの時間分解能で可視化することに成功した。
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