研究概要 |
(1)クライオプラズマの創製とプラズマ診断 平行平板電極型DBD、DBDプラズマジェット、ホローカソード型プラズマジェット、および、DCプラズマジェット方式による室温から77Kの温度領域でのクライオプラズマの装置開発とプラズマ創製を行った。プラズマガス種、プラズマスケール、プラズマ雰囲気真空度などをパラメーターとして、安定的なプラズマの発生領域に関する知見を得た。その結果、1mW~1Wの低いプラズマ電力の入力条件でのクライオ環境でのプラズマの発生が可能となった。またそれぞれの場合での、電圧・電流測定、発光分光測定、流体数値シミュレーションなどを行い、ガス温度、電子密度、プラズマモードなどの検討を行った。幅広い方式、プロセス条件で、クライオプラズマの発生が可能であることが実証された。 (2)材料加工プロセスへの応用の予備実験 有機材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料、ゲル材料の材料表面ナノ加工技術(表面改質、表面エッチング、アッシング)への応用の予備実験を始めた。各種のプロセス条件(ガス温度、入力、ガス流速など)について、それぞれのプラズマプロセス状態の分析、表面状態の同定を行い、その相互関係の検討を開始した。一部、流体数値シュミレーション研究も開始した。これらの測定に関しては、現有のXPS,TEM,AFM,EELS,FE-SEM,ラマン分光,IR,プラズマ発光分光、接触角測定、QCM法などを用いた。その結果、ナノ加工、ナノマテリアル合成について、クライオプラズマの優位性を定量的に示す実験、および、数値解析結果が得られた。
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