代表者らはこれまでにRFeO3(R :希土類元素)において、無容器プロセスにより大きく過冷したメルトからの急速凝固は磁性と誘電性を兼ね備えたマルチフェロイックな性質を示す準安定な六方晶の相(h-RFeO3)を生成することを明らかにしてきたが、h-RFeO3の磁性はほとんどの場合反強磁性であり、そのため実用性は乏しいことが課題としてのこされていた。この点を解決するには強磁性相と強誘電性相のコンポジット化が一つの方法と考えられることから、組成および生成条件の検討から、Feの一部を2価のMn2+に置換することにより、h-LuFeO3の構造を安定化させて安定相の斜方晶(o-LuFeO3)の晶出の抑制を図ったLu(FexMn1-x) 2+yO4+z ;が有望であることを明らかにした。
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