研究課題/領域番号 |
21360367
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北村 信也 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80400422)
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研究分担者 |
柴田 浩幸 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (50250824)
丸岡 伸洋 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40431473)
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 教授 (70220259)
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キーワード | 製鋼スラグ / マンガン / 硫化 / 燐 / リサイクル / フェロマンガン |
研究概要 |
21組の分圧条件(logP_<O2>:-13~-8.2、logP_<S2>:-7~-1.1)にてFeS-MnS系マットとFeO-MnO-SiO_2-MgO-P_2O_5系スラグ間の平衡実験を1673Kで行い、ICP、EPMA、酸素及び硫黄分析装置によってスラグおよびマット中のFe、Mn、Mg、P、S、Oの濃度を測定した。FeS-MnS系マットとFeO-SiO_2系スラグ間の予備実験において、保持時間を変化させて実験したところ12時間程度でも平衡に達することが確認された。平衡に十分な保持時間として、24時間と決定した。ICPの結果にて、各分圧条件における、マット中の各元素の質量濃度、スラグ中の各元素の質量濃度を比べた。まず、マット中のMgとP濃度はほとんど0.1以下であったため、PやMgがマットほとんど分配しないことが明らになった。つまり、溶融硫化物相(マット)を生成させる事でリンをマンガンから完全に分離するという目的が証明された。一方、logP_<O2>またはlogP_<S2>とマットとスラグ間のMn、Feの分配比を調べたところ、logP_<O2>≧-10の条件では、P_<S2>が高いほどマットへのFe分配率が増加した。また、logP_<S2>≦-2の条件では、低酸素分圧の側(logP_<O2>=-13~-11>でFe分配率が高くなった。Feの分配挙動と比べると、酸素分圧の影響が少なく、硫黄分圧が高くなるほどマットへのMn分配率が増加した。EPMAの結果から、logP_<O2>≧-10の条件でマット中に酸硫化物相が観察されるが、logP_<O2>≦-12のマットでは酸硫化物相ではなく、メタル相(Fe)が観察された。また、logP_<O2>=-11では、酸硫化物相及びFe相が同時に観察された。これらのことから、メタルFe相の生成がMn、Feの分配に影響を与えることが分かった。
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