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2009 年度 実績報告書

迅速吸着性と易燃性を兼ね備えた固相抽出用ポリマーブラシ搭載多孔性シートの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21360376
研究機関千葉大学

研究代表者

斎藤 恭一  千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90158915)

研究分担者 梅野 太輔  千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00400812)
浅井 志保  日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究員 (10370339)
キーワード多孔件シート / 電子線グラフト重合法 / 接ぎ木高分子鎖 / 疎水性リガンド / 抽出試薬 / 担持 / 金属イオン / 吸着
研究概要

抽出試薬担持ポリマーブラシ搭載多孔性シートの作製方法を確立し,ポリマーブラシへの担持メカニズムを解明した。ポリエチレン製多孔性シート(細孔の平均直径1μm,細孔の体積比率75%,膜厚3mm)を基材に用いた"抽出試薬担持ポリマーブラシ搭載多孔性シート"の作製経路は4段階からなる。まず,電子線照射によってラジカルを基材につくった。つぎに,エポキシ基をもつモノマー(ここでは,グリシジルメタクリレート)をグラフト(接ぎ木)重合させた。さらに,付与したポリマーブラシ中に疎水性基としてアルキルアミノ基(構造式で示すと,C_nH_<2n+1>NH-)を導入した。最後に,抽出試薬として例えば,リン酸系抽出試薬の代表であるビス(2-エチルヘキシル)リン酸(略称HDEHP)を,ポリマーブラシ中のアルキルアミノ基と抽出試薬中の疎水性部との相互作用に基づいて担持した。得られたシートをディスク状に切り出して,市販の固相抽出用空カートリッジに充填し,抽出試薬担持カートリッジを作製できた。疎水性基としてのアルキルアミノ基の炭素数nを2から18まで変化させ,抽出試薬をポリマーブラシに担持した。同時に,抽出試薬の担持に伴う多孔性シートの細孔構造の変化を,電子顕微鏡および比表面積測定によって追跡した。疎水性基の種類,抽出試薬の種類,そしてそれらの組み合わせを変えることによって,炭素数と抽出試薬担持量との関係を調べ,疎水性基をもつポリマーブラシへの抽出試薬の担持構造を解明した。本年度の成果によって,分離対象となるさまざまな化学種に対応した"抽出試薬担持ポリマーブラシ搭載多孔性シート"材料を揃えるための知見を得ることができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ニッケルイオン固定多孔性中空糸膜を用いたHis-tagタンパク質のアフィニティ精裂2009

    • 著者名/発表者名
      金慶子, 梅野太輔, 斎藤恭一, 他
    • 雑誌名

      Membrane(Maku) 34

      ページ: 233-238

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多孔性中空糸膜の孔表面へのサイズ排除型グラフト鎖の付与2009

    • 著者名/発表者名
      芝原隆二, 梅野太輔, 斎藤恭一, 他
    • 雑誌名

      Membrane(Maku) 34

      ページ: 220-226

    • 査読あり
  • [学会発表] 多孔性シートへの架橋型グラフト鎖の付与による金属イオン実用吸着容量の増加2009

    • 著者名/発表者名
      和田剛, 梅野太輔, 斎藤恭一, 浅井志保
    • 学会等名
      第47回 高分子と水に関する討論会
    • 発表場所
      東京工業大学,東京
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] 金属イオンの実用吸着容量を向上させた放射線グラフト重合法による架橋型キレート多孔性シートの開発2009

    • 著者名/発表者名
      和田剛, 梅野太輔, 斎藤恭一, 浅井志保
    • 学会等名
      第13回 放射線プロセスシンポジウム
    • 発表場所
      未来科学館,東京
    • 年月日
      2009-11-12
  • [学会発表] グラフト相拡散の抑制によるキレート多孔性シートの金属イオン捕集性能の向上2009

    • 著者名/発表者名
      和田剛, 梅野太輔, 斎藤恭一, 浅井志保
    • 学会等名
      第31回 日本膜学会
    • 発表場所
      東京理科大学,東京
    • 年月日
      2009-05-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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