研究課題/領域番号 |
21360390
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
草壁 克己 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (30153274)
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研究分担者 |
池田 宜弘 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (30211030)
吉村 利夫 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (20347686)
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キーワード | トリグリセリド / エステル交換反応 / メタノール / 脂肪酸メチルエステル / 酸化カルシウム / 水酸化カリウム / グリセロール / 3相反応器 |
研究概要 |
トリグリセリドのメタノールによるエステル交換反応における液液2相界面の反応挙動を明らかにするために懸滴法を用いた。懸滴法はKOH触媒を溶解したメタノール溶液中に、毛細管から油滴を押し出し、その形状から界面張力を決定する方法である。また、本研究ではこの方法を利用し、反応中の油滴の体積変化から反応率を同時に決定した。ヒマワリ油を用いた場合には、油相中に反応で生成したグリセロールからなる微小液滴が混入することがわかった。一方、廃食用油ではこの微小液滴の生成はみられなかった。このことから廃食用油に含まれる遊離脂肪酸などの不純物が界面特性に大きく影響していることがわかった。 次にKOH触媒に比べて、反応後の分離精製で利点のある固体CaO触媒を利用するために、CaO触媒を用いたヒマワリ油の高温バイオディーゼル(BDF)合成を行った。はじめにメタノールの沸点以上の温度で操作できるように凝縮管を備えた回分反応器で実験を行った結果、120℃で最も高い収率でBDFが合成できた。次に、CaO触媒を充填した反応器を高温にした状態で、メタノールを下から供給し、気化してCaO触媒を通過する条件で、ヒマワリ油を上部から滴下して反応を進めた。そのため、この反応器は向流気液固3相反応器となる。この場合も気液固間の界面で反応が進行することがわかった。また、反応温度が100℃で最も高い収率となった。高温で収率が減少するのは、油の粘度および界面張力が温度と共に低下するので、CaO触媒層内を落下する速度が速くなるために、滞留時間が短くなるためであった。
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