研究課題/領域番号 |
21360390
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
草壁 克己 崇城大学, 工学部, 教授 (30153274)
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研究分担者 |
迫口 明浩 崇城大学, 工学部, 教授 (30196141)
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キーワード | トリグリセリド / エステル交換反応 / メタノール / 脂肪酸メチルエステル / 酸化カルシウム / 水酸化カルシウム / グリセロール / 3相反応器 |
研究概要 |
バイオディーゼル油の合成原料として廃食用油が用いられるが、この場合に不純物として含まれる遊離脂肪酸および水によりアルカリ触媒でのエステル交換反応が阻害される。現状のバイオディーゼル合成法では遊離脂肪酸をアルカリと反応させて石けん化するために触媒量が増大し、さらに合成後の油相とメタノール相の分離が困難になる。本研究ではバイオディーゼル油の高効率連続合成を行うためにマイクロチューブリアクターを使用し、第1段のチューブリアクターでは酸触媒による遊離脂肪酸のエステル化を行い、リアクター後段に小型分離器を設置して、この分離器で油相と酸触媒およびエステル化で生成する水を含むメタノール相を分離した。連続的に分離回収した油相にアルカリ触媒を加えたメタノールを加えて第2段のチューブリアクターでトリグリセリドのエステル交換反応を行った。 第1段のエステル交換反応では長さ5000mmのマイクロチューブを用いると、滞留時間23.5分でオレイン酸が5%含まれている場合には95%の収率で脂肪酸メチルエステルを生成することを明らかにした。エステル化反応が進行している間、トリグリセリドのエステル交換反応は起こらなかった。連続分離器では未反応の脂肪酸および水を完全に油相から連続的に分離できることを明らかにした。この連続分離器における液の滞留時間は18分であった。第2段のエステル交換反応は長さ1000mmのチューブ、滞留時間4.7分で廃食用油のエステル交換反応が進むことがわかった。マイクロチューブリアクターを用いた2段階反応を利用すれば廃食用油に10%のオレイン酸を加えた場合でも、全滞留時間47分で反応収率は99%に達した。本法は低質原料油からの高速高効率バイオディーゼル合成に適していることがわかった。
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