研究課題
近年単独の金属種から成るナノ粒子は、その大きさに依存した「量子サイズ効果」を示し、特殊な触媒能、光学・電子・磁気特性など新たな機能を発現することから、さまざまな分野で注目されている。そのなかでも多種類の元素から成る多元系金属ナノ粒子は、金属同士の相乗効果により、対応する一元系金属ナノ粒子の有していない触媒特性を発現するなど、新規材料として期待されている。ナノ粒子作製の新たな手法としてマイクロ波加熱法は、加熱時間の短縮、収率・反応選択性の向上という特長があるため、粒径分布の狭いナノ粒子を合成可能である。我々はすでにAg/Cu二元系の金属ナノ粒子の合成に成功している。本研究では、さらに一歩進めて、マイクロ波加熱を用いた三元系のAu/Ag/Cuナノ粒子の合成を試みた。反応溶液のUV-Visスペクトルより、ナノ粒子特有の表面プラズモン吸収に由来すると思われる吸収帯を464nmに観測したことから、ナノ粒子が形成したことが示唆された。TEM測定により、右図のように平均粒径が約10nmで、粒径の分布が狭い、単分散な球状のナノ粒子を観察した。またTEM-EDSおよびICPによりナノ粒子はAu、AgとCuより構成されていることがわかった。以上の結果より、Au/Ag/Cuナノ粒子の合成が確認された。
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