研究概要 |
A カチオン交換ゼオライトのBronsted酸およびLewis酸性質発現と炭化水素分解活性 従来の研究では,アルカン分解活性はゼオライトBronsted酸性質と強い相関性があることが明らかになっている.これに対して,今年度の研究では,はじめてLewis酸性質が触媒活性に強い相関性を持つ場合があることを明らかにした.すなわちアルカリ土類カチオン,Ba, Ca, MgはLewis酸性を示すことがあるが,MgHYゼオライトでは特異的にLewis酸性質が原因で高いアルカン分解活性を示すことが明らかになった.おそらくBronsted酸点近傍にあるLewis酸性質にアルカンが吸着し,隣接するBronsted酸点上で反応が進むのであろうと考えている. B パラフィンの分解活性とゼオライト酸強度およびパラフィン吸着特性との相関性 酸性質のよくわかったゼオライトに対するパラフィンの吸着熱測定をおこない,Bronsted酸性質が吸着特性よりも正確にパラフィン分解反応活性(ターンオーバー数および活性化エネルギー)に関連することを実験的に明らかにした.これは,最近よく発表されている反応の吸着特性依存性の結果の誤りを指摘するもので,非常に重要な研究成果である.またこれまでアルカンとしてはオクタンのみを使って研究してきたが,ヘキサンの分解活性も測定し,オクタンとほぼ同様な結果を得た.
|