研究概要 |
1. シアノ錯体の熱分解により調製したABB'O_3ペロブスガイト型酸化物SmFe_xCo_<1-x>O_3のCO酸化活性と活性制御因子について検討した.SmFe_xCo_<1-x>O_3のCO酸化活性は,x=0.5で最大活性を示した.x=0.2-0.8において,CO酸化活性は,SmCoO_3,SmFeO_3よりも高く,明らかにFeとCoの共存による相乗効果が認められた.触媒活性と表面O_<ads>/Smとの間に相関関係が認められ,SmFe_xCo_<1-x>O_3のCO酸化反応の相乗効果は,CoとFeが共存することによる表面吸着酸素の増加に寄与していると結論した. 2. ペロブスカイト型酸化物SmFeO_3を異なる四つの調製法(シアノ錯体熱分解(CN),高分子前駆体分解法(PP),逆均一沈殿法(RHP),逆ミセル法(RM))により調製し,CN法の特異性について検討した.RHP,RM法により調製した触媒の比表面積は他の調製法により調製した触媒よりも大きかった.また,XPSおよびTPD測定から(a)CN,PP法で調製した触媒では多くの炭酸イオン種が存在していること,また,炭酸イオン種はFe上に生成し触媒活性点の数を減少させていること,(b)RHPおよびRM法により調製した触媒表面は,CNおよびPP法により調製した触媒の表面よりもFe濃度が高いこと,などの知見を得た.また,CO酸化活性は調製法を問わずに表面Fe濃度によって制御されることを明らかにした. 3. 粒子サイズの異なるペロブスカイト型酸化物La_<1-x>Sr_xFeO_3をプロトン導電性固体酸化物形燃料電池の空気極に用いて電極特性を比較・検討した.粒子サイズは電極特性に影響を与え,粒子サイズが小さい方が高い電極特性を示すことがわかった.これは,微粒子化による反応場の増大に起因していると考察した.
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